7月〜8月にかけて東京・国立劇場にて、「小学生のための歌舞伎体験教室」が開催されました。ステップごとのリポートをお楽しみください。
STEP1 【歌舞伎入門教室】 7月6日(日) 午後1:00〜午後5:00
【当日配付されたパンフレット】
国立劇場伝統芸能情報館3階のレクチャー室にて、当保存会馬場順事務局長によるお話し「歌舞伎入門」から体験教室が始まりました。
ビデオを見ながら、音楽・俳優など歌舞伎に関する様々な説明をうけて、歌舞伎のことがちょっとわかってきたかな?お話しを真剣に聞き入るみんなの様子がとても印象的でした。
続いて大劇場にて、歌舞伎鑑賞教室公演『歌舞伎のみかた』『卅三間堂棟由来』を観劇しました。出演者の中に同じくらいの歳の俳優を見つけて、みんなビックリ。
終演後のバックステージ・ツアーでは、劇場で働く人の話を聞いたり、照明や音響の舞台効果を体験しました。廻り舞台の回転の速さにまたビックリ。
【美しい舞台照明を体験】
STEP2 【ガイダンス】 7月26日(土) 午前10:00〜12:00
講師の歌昇さん(右)、芝雀さん(左)に、歌舞伎演技の基本を映像を使って説明していただきました。
お扇子をしっかりと・・・
ガイダンスでは8月9日からの歌舞伎教室のまえに、ワークショップの進め方、学習する演目(『寿曽我対面』)の解説、カリキュラムの説明のほか、稽古着(浴衣)の着方や立ち居振る舞いの基本を覚えました。

お父さんやお母さんと一緒に浴衣の着方を学びました。
浴衣での立ち居振る舞いをみんなでおぼえました。
鬘あわせ 7月23日(水)〜29日(火) 
step3の『寿曽我対面』の発表会に向けて、7月23日から配役ごとに〈鬘あわせ〉がはじまりました。場所は東京演劇かつら。歌舞伎の鬘は、一人一人の頭の形にあわせて台金(だいがね)で土台をつくり、毛髪を植え込んだ羽二重をそれに貼ってつくります。髪型を結い上げるのは床山(とこやま)さんの仕事です。29日には講師の時蔵さんも立ち会って、みんなにピッタリと合って美しい型になるように、鬘師の方々と念入りにチェック。準備も着々と整い、生徒の皆さんも開講式が待ち遠しい様子でした。
STEP3 歌舞伎ワークショップ 8月9日(土)〜15日(金) 
七日間にわたって行われた歌舞伎体験教室。開講式では緊張気味だったみんなも、最後の発表会では立派に「寿曾我対面」の舞台をつとめあげました。すばらしい舞台にいたるまでの様子をリポートします。各日ごとに写真をたくさん掲載した詳細ページがあります。ぜひそちらもご覧ください。
9日(土) 開講式、小道具にふれる、演技の基礎の実習(1)
一週間の歌舞伎教室がはじまります。開講式では中村雀右衛門会長と、吉右衛門担当理事から心得をうかがいました。最初は神妙な面持ちだった子どもたちも、“馬”の登場で一気に和やかに。誰が乗るかを決めるのに全員でジャンケン。初めてのお稽古では、皆恥ずかしくて小さな声でもじもじ・・・。今だからいえますが、講師の先生方は「本当に大丈夫だろうか」とみんな心配していました。
 
10日(日) 歌舞伎の扮装を体験、演技の基礎の実習(2)
二日目は目の前で結髪の技術を見学しました。床山さんがなれた手つきで鬘を結う姿に、思わず身を乗り出して見学。鬘を持ってみて重さにビックリ。つづいて傾城・大磯の虎の衣裳の着付けを体験。衣裳を何枚も重ねたり、鬘をつけるのに一苦労だったり。「みんな裲襠(うちかけ)を着て下さい」と時蔵先生が一人一人に着せて、衣裳の重さを体験してもらいました。「対面」のお稽古では、せりふのほかに動きや小道具の扱いも始まりました。
11日(月) 立廻りの体験、演技の基礎の実習(セリフと動き)
かっこいい立廻りを見学します。あざやかなトンボ(宙返りの演技)や、ツケ打ちの迫力に拍手が起こります。続いて生徒たちによる立廻りのお稽古。三人一組で、プラスチックの刀をもって挑みます。
「対面」のお稽古は、今日から舞台の流れ通りに班単位で行います。一つ一つ振りをつけてもらい、小道具のあつかいなど細かな点も徐々に習いはじめます。
12日(火) 歌舞伎音楽の体験(長唄)、演技の基礎の実習(役ごとに)
長唄の鑑賞から始まります。「勧進帳」の演奏は、予想以上の迫力で、みんな真剣に聴き入っています。全員で行った三味線のお稽古は、バチの扱いに四苦八苦。コツをつかんだ生徒から、徐々にひけるようになっていきました。
「対面」のお稽古では、長袴のあつかいなど明日の総ざらいに向け熱心にお稽古が行われます。
13日(水) 歌舞伎音楽の体験(黒御簾)、演技の基礎の実習(総ざらい)
黒御簾音楽を体験。風の音や、雨の音、雷の音と、自在に音を作り出す太鼓を聴きます。「この音は何?」との質問に「ハイ!」と元気よく手を上げて答える生徒も沢山います。
「対面」のお稽古では明日の舞台稽古に向けて総ざらいを行います。
教えるほうも教わるほうもみんな真剣そのもの。緊張した空気の中、演技が終わると、見学していた他の班から思わず拍手が沸きます。
 
14日(木) 舞台の仕込み見学、舞台稽古
まずはじめに舞台装置の説明を国立劇場舞台技術部のスタッフに説明していただきました。大道具や照明を自在に操るスタッフの皆さんのお話はどれも参考になります。
続いて舞台稽古です。初めてのお化粧、衣裳、鬘、舞台・・・どれも初体験で、楽屋は大忙し。それでもみんなはじめての舞台とは思えないほど落ち着いていて、大きな声でセリフも場内に響きます。お忍びで見学にきた雀右衛門会長も満足そう。スタッフの心配をよそに、のびのびと演技する生徒たち、発表会の期待が高まります。
15日(金) 発表会
発表会当日。昨日に続き楽屋は大忙し。場内は父兄が大勢詰め掛けて、大賑わい。そんな中で生徒たちはワークショップの成果を存分に発揮しました。どの班の舞台も生徒たちのエネルギーが満ちて素晴らしく、場内からは惜しみのない拍手が贈られました。